➡N.E.blood 21 vol.80 齋藤大悟展, vol.81 伏見恵理子展 2月11日(土)より
“N.E.blood 21”は精力的に制作、発表を行っている東北・北海道在住若手作家を紹介するシリーズ企画です。毎年複数の作家を取り上げ、美術館とアーティストとの新しい関係を模索しつつ、作家同士のネットワーク形成を念頭に置き展覧会を開催しています。
第80回目は秋田県にかほ市在住の作家‐齋藤 大悟(さいとう だいご)、第81回目は宮城県仙台市在住の作家‐伏見 恵理子(ふしみ えりこ)を紹介します。
N.E.blood21展は観覧料は無料、開催期間は2023年2月11日(土)から3月19日(日)までとなります。
vol.80 齋藤 大悟展
齋藤は1977年秋田県由利郡象潟町(現にかほ市)生まれ。2002年から本格的に写真をはじめ、現在ライフワークとして地元である象潟の海辺を中心に撮影し続け、個展・グループ展等において写真作品を発表しています。
日本海の色は太平洋と比較して色が濃いことから“鉛色”あるいは“鈍色(にびいろ)”の海と表現されることがあります。特に冬場の自然環境や天候などから一般に暗く重い印象のある日本海ですが、齋藤の写真には荘重な海の多様な姿が捉えられており、その懐の深さを感じさせます。長年にわたり日常的に海を見つめ続けてきた齋藤は、季節や時間帯、天候などで海が多彩な表情を見せることはもちろんのこと、その時々の自身の心情によっても写真が変化することを知っています。
私たちは齋藤の写真を通じ、秋田にかほの海の多様な姿を知ると同時に齋藤が海とともに過ごしてきた時間そのものに触れる機会となるでしょう。
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vol.81 伏見 恵理子展
伏見は1987年埼玉県生まれ。2014年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コースを修了。多くの個展・グループ展・公募展等にて平面作品を発表し、高い評価を受けています。
伏見の作品は、一見すると抽象画のような印象を受けますが、その原型は風景などのスケッチを基にした絵画です。両掌に収まるほどの紙に描かれた小さな絵は、ものによっては100号を超える大きな画布に拡大して描写されます。その際、制作に使用する画材(絵具)や支持体(紙)と筆致によって生じた「にじみ」や「かすれ」、「まざり」などの現象は、形象として模され再現されます。絵画の要素として再構築されたそれらの形象は、新たな息吹を吹き込まれ画面の中で躍動し、作品全体は以前と異なるイメージへと変容します。
スケッチを原点とする絵画は、様式の変質とともに変貌を遂げ、作家自身にとって未知なる新たな風景として眼前に立ち現れるのです。
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